2ちゃん中毒 引きニートがまとめやってみた

気が付けば2ちゃん中毒者。気が付けば2ちゃんまとめ人。気が付けば引きニート。気が付けば・・・廃人寸前←今ココ


▼フリメで無料登録OK!お試しポイント大量!

スポンサーサイト

はてなブックマークに追加はてなブックマーク はてなブックマーク - スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


▼フリメで無料登録OK!お試しポイント大量!


[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

勇者「魔王…降参する」

はてなブックマークに追加はてなブックマーク はてなブックマーク - 勇者「魔王…降参する」


monst7.jpg




1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:36:00.09 ID:LnlDFAse0
勇者「とうとう追い詰めたぞ!魔王!」

魔王「…たかが人間が、よくここまでたどりつけたものだな」

勇者「戯言を!今日こそお前を倒し、この世界に平和を取り戻してみせる!」

魔王「クククッ…ハァーハッハッハー!!」

勇者「ッ!?何がおかしい!」

魔王「ククク…勇者よ。よもや、この私を倒せば世界に平和が戻るとでも思っているのか?」

勇者「…ああ、そうだ!」

勇者「お前たちを倒せば…俺みたいに親を失って悲しむ人もいなくなる!」











4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:40:00.78 ID:LnlDFAse0
魔王「フハハハハ!愚かなり、勇者よ!」

魔王「いくら正義を語ろうとも、所詮人間は己の欲望のままに生きているだけにすぎん!」

勇者「違う!人間は…そんな生き物じゃない!」

魔王「ククク…言うじゃないか。ならば真実を知る覚悟はあるか?」

勇者「真実…だと…?」

魔王「知りたくばこの奥の部屋に来るがいい!フハハハハ…」

勇者「ッ!?魔王!」

勇者「…消えた」












6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:45:26.25 ID:LnlDFAse0
勇者「奥の部屋って言ったら…ここか」

勇者「………」

勇者「ここまで来て何を怯えているんだ?俺は」

勇者「……よし」

勇者「いいさ、真実でも何でも知ってやろうじゃないか!」












7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:49:38.58 ID:LnlDFAse0
ギィィ

魔王「…来たか。その覚悟だけは褒めてやろう」

勇者「能書きはいい。それより真実って何だよ」

魔王「そうあせるな。…まずはこれを見ろ」

勇者「これは…鏡?」












8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:52:07.91 ID:LnlDFAse0
魔王「私は今より500年ほど前に生まれ、そして世界を支配した」

魔王「これからこの鏡に映すのは、私が生まれる前の世界の姿だ」

魔王「私も、魔族もいない、人間がこの世界を支配していた頃の、な」

勇者「…!?これは…」

魔王「そう、人間同士で争っているのだ」

魔王「魔族という人間共通の敵がいなかったこの頃は、人間はお互いを攻撃しあうことで、その欲を満たしていた」

魔王「そしてその中で力を持たぬ弱者は殺され、力を持ったものが世界を支配していく」

魔王「お前は家族を魔族に殺されたといったが…」

魔王「なんてことはない。魔族がいなくなれば、今度は別の人間がお前の両親を殺していたのかもしれないのだ」

魔王「人間どもの世界などこんなものさ」

勇者「………」













9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:55:46.57 ID:+QO0JW3XO
支援











10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 19:56:30.92 ID:LnlDFAse0
魔王「更にこれはどうだ?」

勇者「これは…魔族?」

魔王「そうだ。魔族も、元は力を求めた人間が生み出した改造生物に過ぎない」

魔王「他の命を自分たちの都合のいいように使い、いらなくなったら処分する」

魔王「この世界の魔族もこいつらの子孫だ」

勇者「…!」













12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:03:12.62 ID:LnlDFAse0
魔王「だが、中にはそんな人類を憂える人もいた」

勇者「…!やっぱり、人はそこまで愚かじゃなかったんだ…」

魔王「彼は欲望のままに争う人間を止めたかった」

魔王「そして悩みに悩んだ末、彼は人の上に、更に力を持った上位種を作り出せばいいと結論を出した」

魔王「皮肉なものだな。争いを止めるための力は、争うからこそ発達した技術を元に作り出されたのだから」

勇者「…その男は、結局どうなったんだ?」

魔王「知りたいか?」

勇者「…ああ」



魔王「今貴様の前に立っている、この私こそがその男の成れの果てだ」













15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:07:02.66 ID:372U1ytv0
これは支援












16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:08:37.63 ID:LnlDFAse0
勇者「う…嘘だ!」

魔王「…残念だが、これは真実だ」

勇者「!!」

魔王「私は人間の欲を否定するつもりはない。貴様もその欲により己を高め、ここまで来たのだ。欲は人を強くする」

魔王「現に貴様とて、復讐を理由に強くなり、そして私の元へたどり着いたのだ」

魔王「だが…度が過ぎた欲は、あらゆるものを滅ぼす」

魔王「私はあくまでそれを咎めるための存在に過ぎん」












18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:14:10.15 ID:LnlDFAse0
魔王「それでもなお、私と戦おうというなら相手になってやろう」

勇者「………」

魔王「フン…答えが決まらないなら一晩だけ時間をやる」

魔王「この部屋を使うがいい。この部屋には結界が張ってあるから、私以外の魔族は入ることは出来ない。安心して、考えるがいい」

魔王「ではな。明日までには答えを出しておけ」













21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:17:42.87 ID:LnlDFAse0
勇者「………」

勇者「…俺は…」

勇者「魔王を倒すことによって、世界は平和になると」

勇者「そう信じて戦ってきた」

勇者「でも、実際は世界を平和にしていたのは魔王で、魔王を倒すと世界は平和ではなくなってしまう」

勇者「…だとするなら」

勇者「俺がやってきたことっていったい何なんだ…」












23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:21:13.65 ID:LnlDFAse0
?「勇者ァァァァ!!!!勇者はどこだぁぁぁぁぁ!!!」

勇者「!?」

勇者「いったいなんだ?」

バタン!

魔物「見つけたぞ!!家族の仇ぃぃい!」

勇者「魔物!ええい!!」

魔物「結界だと!!こしゃくなまねを…ッ」











24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:25:09.55 ID:LnlDFAse0
魔王「何事だ?」

勇者「魔王!?」

魔物「魔王様!!こやつは、先日私の弟の命を奪いました!!ぜひともここで弟の仇を討たせてください!!」

勇者「!!!」

魔王「なるほど…そういうことなら仕方あるまい」

魔王「だが、今はやめておけ。ここで暴れられても私が迷惑だ」

魔物「しかしっ!」

魔王「安心しろ。明日特別にその場を用意してやる。勇者もそれでいいな」

勇者「……あ、ああ」

魔王「これで文句はないだろう。とにかく今日のところは下がれ」

魔物「ハッ…魔王様がそう仰るなら」

魔物「勇者め……覚悟しておけよ」











27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:30:18.70 ID:LnlDFAse0
魔王「すまない。部下が迷惑をかけたな」

勇者「……いや」

魔王「そうか。では明日に備えてゆっくり休むがいい」

勇者「………」

勇者(…あの魔族の弟、俺が殺したのか…)

勇者(これじゃまるで…俺が魔族じゃないか…)














29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:38:22.82 ID:LnlDFAse0
翌日

メイド「目を覚ましましたか?」

勇者「う…誰だ?」

メイド「私は、魔王様の配下のメイドと申します」

メイド「朝食をお持ちしましたのでどうぞ」

勇者「あ、ああ。ありがとう」

メイド「いえ」ペコリ

メイド「では準備が出来しだい、外にいる私に声をかけてください」

メイド「昨日の魔物の所に連れて行くよう仰せつかっておりますので」

メイド「それでは、失礼します」

勇者「………」















30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:38:52.52 ID:RCZmNYC70
>>29
メイドのスペックうp





>>29
モデルは翡翠



MELTY BLOOD 翡翠 (1/8スケールPVC塗装済み完成品)










32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:43:03.37 ID:LnlDFAse0
魔王「…来たか、勇者よ」

勇者「………」

魔物「…ヘヘヘ、この時を待ってたぜェェ」

魔王「では、好きに戦うがいい」

魔物「死ねェェェェイ!」

キィン!

魔物「オラオラオルゥゥラア!!!」

ガキン!キィン!

勇者(クッ!防戦一方だ…!)

勇者(このままだと押し切られてしまう!)















33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:43:27.75 ID:JhTAG0k7O
支援











34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:47:37.18 ID:LnlDFAse0
魔物「ハハハハハ!勇者なんてこんなもんか!!!」

魔物「死ね!死ね!死ねぇぇぇぇ!!」

勇者(クソッ!集中できない!!)

勇者(ここでこいつを倒したところで…)

勇者「でも…!」

魔物「!!」

勇者「こんなところで死ねるかーーーーー!!!」

ズバッ!

魔物「グアァァッ!!」












36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:52:48.98 ID:LnlDFAse0
勇者「ハァ、ハァ…」

魔物「まだだ…!」

勇者「…もう、勝負はついた!」

魔物「まだ…戦える!」

勇者「やめろ…!これ以上戦えば…!」

魔物「まだ…だ!メラゾ…」

勇者「!!」

ザクッ

魔物「マ…グハッ……」

バタン

勇者「…あ……ああ…」












37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:57:50.51 ID:ZKNb3h8SO
>>1頑張れ。











38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 20:58:34.23 ID:LnlDFAse0
魔王「勇者…貴様の勝ちだ」

魔王「どうする?このまま私とも戦うか?無論傷は癒してやるが」

勇者「…もう…いい」

カラン

勇者「もういい」

ガクッ




勇者「魔王…降参する」

勇者「俺の負けだ」













54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:25:23.74 ID:LnlDFAse0
魔王「………」

勇者「………」

魔王「…それは一向に構わんが、これからお前はどうする気だ?」

魔王「魔王討伐をかって国から出た以上、国に戻ることもできまい」

勇者「………」

勇者「…さあ……どうなるんだろうな」

魔王「…まぁいい。なら、目的が見つかるまでしばらくはこの城に寝泊りするがいい」

勇者「……すまない」












55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:26:34.77 ID:vfsYCTyeO
ktkr










57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:27:08.06 ID:O01hqkKdO
勇者がんばれ











59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:29:30.49 ID:LnlDFAse0
勇者「部屋は前と同じか…」

メイド「すいません、結界が張ってあるのはこの部屋だけなので」

勇者「いや、すまない。別に文句を言ったわけじゃないんだ」

メイド「…では、以前と同じで、決して部屋からは出ないようお願いいたします」

メイド「何か御用の際には部屋の前に私がおりますので一言申してください。可能な限り用意いたしますので」

勇者「…分かった。色々と世話になるよ」











61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:35:59.78 ID:LnlDFAse0
コンコン

メイド「失礼します」

メイド「ご夕食をお持ちしました」

勇者「ああ、ありがとう」

メイド「では、失礼します」

勇者「あ、その、少し聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

メイド「え…あ、はい。私に答えられることであるなら」












63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:40:18.21 ID:LnlDFAse0
勇者「魔王って普段は何しているんだ?」

メイド「…普段ですか?普段は、人間や魔族の監視が主に魔王様がなされていることです」

メイド「時々大きな力を持ったものが現れたとき、排除したりします」

勇者「…排除って、殺すってこと?」

メイド「…ハイ」

勇者「…そうか。ありがとう」












64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:47:45.68 ID:LnlDFAse0
メイド「私からも一つよろしいでしょうか?」

勇者「ん?ええと、どうぞ」

メイド「勇者様は魔王様のことをどのように聞き及んでおりますか?」

勇者「そうだな…国王は、『この世界を魔族を使って支配しようとする悪の王』って言っていた」

メイド「…やはり、人間たちの間ではそのように伝えられているのですね」

勇者「まぁ、それも人間たちが自分たちの都合のいいように作ったでまかせだってわかったけどな」

メイド「…悲しいことですね」













65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:54:49.42 ID:LnlDFAse0
勇者「そうだ、せっかくだからもう少し魔王のことを教えてくれないか?」

メイド「え…あ、ハイ。でも何から話したらいいか…」

勇者「君がどうして魔王と一緒にいるのか、とか?」

メイド「それでしたら…少々長くなりますが、よろしいですか?」

勇者「あ、うん。別にいいよ」












66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 22:58:36.90 ID:LnlDFAse0
メイド「私は、もともとここいらで一番力のある魔物でした」

メイド「魔物の世界は弱肉強食、なので力の強い私は好き勝手に暴れていました」

メイド「魔王様に会ったのはそんなときでした」

メイド「世界をいとも簡単に滅ぼせるほど大きな力の前に、私は逃げることすら出来ませんでした」

メイド「でも、魔王様は何もせず、私の前を通り過ぎていきました」

メイド「それが、私にとっては堪えがたい屈辱でした」

メイド「そこで私は魔王様に服従するフリをしながら、隙を突いて殺してやろうと、そう思って魔王様についていきました」

メイド「ですが、魔王様は大きな力を持ちながら、決してその力を私利私欲のために使ったりはしませんでした」

メイド「魔王様は、誰よりも大きな力と、それを扱うだけの大きな器を持っていたのです」

メイド「それに比べたら、私はなんて器が小さいんだろうと思って」

メイド「私は自分を恥じ、そして魔王様に忠誠を誓ったのです」













69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:05:27.52 ID:LnlDFAse0
メイド「…こんなところで、よろしかったですか?」

勇者「ああ、ん?いやちょっと待ってくれ」

メイド「いかがなされましたか?」

勇者「ちょっとおかしなところがないか?」

メイド「おかしなところと申しますと?」

勇者「魔王が私利私欲のために力を使わないんだったら、なぜ魔物が町を襲ったりするんだ?」














70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:10:32.26 ID:LnlDFAse0
メイド「おそらく、その件に関しては魔王様とは関係がないと思われます」

勇者「…どういうこと?」

メイド「ええとですね、魔王様は魔族の頂点に立つほどの大きな力を持ってはいますが、だからといって、魔族を支配しているわけでも、まとめている訳でもないのです」

メイド「ですから、多くの魔族は本能の赴くままに生きているだけです」

勇者「それじゃあ、魔王の命令で町を襲っているというのは…」

メイド「おそらくデタラメですね。そもそも、大半の魔族には命令を理解できるほど知性のある者はあまりいません」

勇者「………」

メイド「他に何か、ありますか?」

勇者「ああ、いや、もうないよ。ありがとう」

メイド「はい、では失礼します」













72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:18:33.90 ID:/MtLFchAO
さっきの弟殺された魔物は上位のやつなんですね。わかります。













75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:26:11.21 ID:LnlDFAse0
翌日

魔王「答えは出たのか?」

勇者「…ああ」

勇者「俺は…この世界の平和のために戦ってきた」

勇者「そして、それが正義だと思い込んでいた」

勇者「だけど、魔王。お前に会ってから、俺の正義が分からなくなった」

勇者「だから、確かめてみたい。人間にとっての正義とはなんなのか」

魔王「そうか。ではここから旅立つのか?」

勇者「そうだな…あまりここに長居しても悪いしな」

魔王「………」

勇者「すまない、世話になったな。勇者が魔王に言うのも変だが」














76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:35:28.99 ID:LnlDFAse0
魔王「…みたいのか?」

勇者「え?」

魔王「魔王がいなくなり、人間たちが支配する世界を、見たいのか?」

勇者「………」

勇者「…本音を言うと…見たいな」

勇者「でも、それは無理だろ。人間の寿命はそんなに長くない」

魔王「…一つだけ」

魔王「一つだけ方法がある」

勇者「!!」

魔王「知りたいか?」

勇者「………」

勇者「……ああ」

魔王「…なら、勇者よ」



魔王「私の配下になるがいい」













80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:50:26.42 ID:LnlDFAse0
数日後…

兵士「陛下!勇者殿からの手紙でございます!」

国王「ん?勇者から…?いったいどういうことだ?」

兵士「はっ、城門前で警備中、勇者様が現れてこれを国王様に手渡すようにと…」

国王「して、勇者はどこに?」

兵士「手紙を私に押し付けると、そのままどこかへ行ってしまいました」

兵士「これがその手紙でございます」

国王「うむ、ご苦労。下がってよいぞ」

兵士「はっ」





大臣「今更勇者から手紙なんて…いったい何のようだ?」

国王「うむ…ともあれ、手紙を読んでからにするかの」













83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:56:08.81 ID:vBgBQ23/O
支援











84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/03(日) 23:58:52.06 ID:LnlDFAse0
大臣「…なんてことだ!」

国王「馬鹿な!」

国王「ありえんぞ!勇者が…魔王の配下になったなどと!!」

大臣「………」

国王「………」

大臣「と、とりあえず先ほどの兵を呼んで、本当に勇者だったかを確認いたしましょう」

国王「うむ…そうだな…」












85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:05:03.79 ID:BODc6WGb0
兵士「何の用でございましょうか、国王陛下」

国王「先ほどの手紙を読ませてもらったが…あの手紙をお前に渡したのは本当に勇者だったのか?」

兵士「はい?」

大臣「陛下は、お前に手紙を渡した勇者が偽者ではないかと思っているのだ」

兵士「あ、はい。それは間違いないです」

大臣「なぜそういいきれる?」

兵士「旅立ちのときに陛下が勇者に渡した、王家の紋章が刻まれた剣を持っていたからです」

兵士「フードで覆われていた顔も確認しました。多少顔立ちは変わっていましたが、昨年旅立った勇者に間違いないかと」

大臣「…間違いないのだな?」

兵士「はい」

国王「もうよい。下がっていいぞ」

兵士「はっ」












86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:05:53.59 ID:ro10abByO
ワクテカ










87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:06:03.54 ID:JKJcrAjlO
しえん










90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:09:48.04 ID:8ZBNC8fhO
>>87
女子高生><











121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:37:18.77 ID:WXltQQ7iO
>>87
女子高生に女子中学生なんて欲張りだな












91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:11:20.38 ID:BODc6WGb0
女勇者「陛下…その話、本当ですか?」

国王「!聞いていたのか!女勇者!」

女勇者「勇者が…兄が魔王の配下になったというのは!?」

国王「むう…」

国王「この手紙には、確かにそのように書かれておる」

女勇者「うそ…兄さんが…」












92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:16:18.69 ID:BODc6WGb0
ダダダ!

兵士「も、申し上げます!」

大臣「何事だ!騒々しい!」

兵士「すいません!ですが緊急事態ですので!」

国王「よい、大臣…して、何が起こったというのだ」

兵士「はっ!山のふもとの村にてモンスターの大群がおしよせてきました!」

大臣「警備の者は何をしておるのだ!

兵士「それが…モンスターが思いのほか強く、我が軍が劣勢にございます」












93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:22:14.10 ID:BODc6WGb0
国王「馬鹿な…!我が軍の精鋭が押されているだと!?」

兵士「それと…敵の陣頭指揮を執っているのが…その…」

兵士「…見間違いだとは、思うのですが、勇者殿のように見えるのですが…」

国王「!!」

大臣「!!」

女勇者「!!」

兵士「そのせいもあってか、我が軍の士気がどうにも上がらないのです」












94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:23:58.57 ID:qVZ9DpxIO
wktk











97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:29:54.13 ID:BODc6WGb0
国王「…分かった。増援を送ろう。大臣」

大臣「はい…至急増援の準備をいたします」

女勇者「…私も、向かいます」

大臣「…おぬしはよい」

女勇者「いえ、行かせてください!」

大臣「…しかし!」

国王「…いいだろう、軍とともに向かうがいい」

女勇者「はっ、ありがとうございます!」












98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:35:51.31 ID:BODc6WGb0
ふもとの村

勇者「………」

勇者「覚悟はしてきたけど…」

兵士「おおおおおおおおおお!」

ザクッ

勇者「…やっぱり、こたえるな」

勇者「人間を殺すのは…」

メイド「村の警備隊は半分ほどに減りました」

勇者「よし、このまま一気に押し込むぞ!くれぐれも村の人には手を出すなよ!」

ウオオオオオ!!












102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:48:00.57 ID:ro10abByO
>>98
こたえるってレベルじゃねーだろ











99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:40:49.84 ID:BODc6WGb0
勇者「…それにしても、まさかメイドまで来てくれるとはな」

メイド「私は、保険ですから」

勇者「俺が裏切らないように、か?」

メイド「…それもありますが、ここで勇者さまが死なないようにとの魔王様の配慮です」

勇者「…そうか」

メイド「それよりも、勇者さま。敵の増援がこちらへと向かってきています」

勇者「!」

メイド「当初の目的は達成いたしました。ここは撤退するべきかと」

勇者「そうだな。全軍!撤退せよ!」











100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:46:12.10 ID:t+uyu+IIO
支援!










103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 00:50:12.31 ID:u7JcdJREO
これは暇つぶしにのる

そうだろ!?管理人!











111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:04:32.12 ID:BODc6WGb0
女勇者「村が…!」

隊長「ひどい…!なぜこんなことを」

ダッ

隊長「あ!女勇者殿!」

タッタッタ

女勇者(兄さんは…)

女勇者(勇者はどこ!)












113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:14:17.24 ID:BODc6WGb0
勇者「クッ、撤退は間に合いそうにないな」

メイド「こうなったら、私と勇者様で足止めをし、その間に皆を撤退させましょう」

勇者「そうだな…ん?あれは…」

女勇者「兄さん!!!」

勇者「…女勇者!?」

勇者「なぜお前がここに!?」

女勇者「兄さんこそ!なぜ!なぜ魔王の配下になど!?」












115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:21:44.38 ID:BODc6WGb0
メイド「簡単なことです。勇者さまは魔王様に敗れてその配下に加わったのですよ」

勇者「!?」

女勇者「!?あなたはいったい誰!」

メイド「私は、勇者様と同じく魔王様の配下のメイドと申します」

女勇者「ねぇ?嘘でしょ、兄さん?その女の言ってること全部嘘でしょ?」

勇者「………」

女勇者「兄さん!!」












117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:28:17.22 ID:BODc6WGb0
兵士「隙あり!」

ダダダダッ

勇者「!?」

ズバッ

兵士「う…あ…」

バタ

勇者「クッ…!」

女勇者「兄…さん…?」

女勇者「今…人を……!」

ガクッ












119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:36:41.06 ID:BODc6WGb0
メイド「勇者様、皆の撤退が終わりました」

メイド「われわれもそろそろ引き上げるべきです」

勇者「…そうだな」

メイド「…では、行きますよ」

シュン












123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:43:51.42 ID:BODc6WGb0
勇者「…メイド」
メイド「はい」

勇者「…なぜあんなでまかせを言ったんだ?」

メイド「………」

メイド「人間たちは、真実を知らないほうがいいのです。そのほうが、幸せに生きてゆけます」

勇者「そんなこと…」

勇者「………」

勇者「…そうかも…しれないな」

メイド「はい」

勇者「………」

メイド「………」












130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:49:50.04 ID:BODc6WGb0


国王「…してどうだった?女勇者よ」

女勇者「…はい。魔王の軍勢を率いていたのは、兄に間違いありませんでした」

国王「なんたることだ…なぜ、そのようなことに…」

女勇者「どうやら、兄は魔王に敗れ、その配下に加わったようです」

国王「何!?勇者が…敗れただと!」

国王「ううむ、もうよい。今日のところはひとまず下がれ」

女勇者「はっ」



女勇者「…兄さん」












131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 01:54:30.98 ID:BODc6WGb0
女勇者(昔は誰よりも強くて、私に優しかったのに…)

女勇者(私の剣の稽古をつけてくれたのも兄さんだっけ)

女勇者(………)

女勇者(でも、今日は魔王の一味と一緒に人を殺していた…)

女勇者(…兄さん…)

女勇者(兄さんは本当に裏切ったのね…)













132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:00:14.13 ID:BODc6WGb0
翌日

国王「何?お前も旅立つだと…?」

女勇者「はい」

女勇者「魔王と…そして、兄をこの手で倒して見せましょう」

大臣「実の兄と…戦うというのか…?」

女勇者「実の兄だからこそです」

女勇者「兄の過ちを、正すのもまた妹である私の役目かと」

国王「…分かった。可能な限りで、私もお前に援助するとしよう」

女勇者「はっ、ありがとうございます」












134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:01:12.14 ID:ro10abByO
切ない展開











136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:05:42.92 ID:BODc6WGb0
魔王城

魔王「勇者よ。どうやら城から女勇者が旅立ったらしいぞ」

勇者「あいつが…か」

魔王「お前の親族なら、いずれはこの城にたどり着くかもしれないな」

勇者「さあ…どうだろうな…」

魔王「だが、もし女勇者がここにたどり着いたとき、お前は戦うことが出来るのか?」

勇者「………」

勇者「…戦うさ」

勇者「戦って、そして、その後に残る世界を見なければならないんだ。俺は」











137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:09:53.39 ID:ro10abByO
支援










138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:12:58.61 ID:9Vb/E53Z0
支援










139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:12:59.14 ID:BODc6WGb0
数ヶ月後

魔王城

女勇者「…とうとう、ここまで来たわ」

女勇者「ここまで来たら、やることはもう一つだけ」

女勇者「魔王と…そして、兄さんを必ず倒す!」

スタスタ











141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:18:17.82 ID:BODc6WGb0
メイド「女勇者さんが城内に入ってきました」

魔王「そうか」

勇者「やはり…きたのか」

魔王「付近の魔物を向かわせろ。お前たちも戦う準備をしておけ」

勇者「ああ」

メイド「はい、分かりました












144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:24:04.43 ID:BODc6WGb0
ズバッ

魔物「グギャアアアアア!」

女勇者「まったく…なんて広さなのよ、この城は…」

女勇者「行けども行けども、魔物ばかり」

女勇者「…もしかして、道に迷った?」

女勇者「………」

女勇者「いや、あながちそうでもなさそうね」




メイド「お久しぶりですね、女勇者さん」












146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:28:04.78 ID:BODc6WGb0
女勇者「ええ、久しぶりね。魔族の癖に丁寧にどうも」

女勇者「それよりも、そこをどいてくれないかしら?」

女勇者「その先に、兄さんと魔王がいるのでしょう?」

メイド「…はい。ですが、ここを通すわけには行きません」

メイド「ハァァ!!」

女勇者「ッ!?変身した!?」

メイド「これが…私の本当の姿です」

メイド「…では、参ります!」

女勇者「クッ!来い!!」













147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:33:12.69 ID:BODc6WGb0
女勇者「つ、強い…!」

メイド「さすがは、勇者様の妹君…」

メイド「ですが…私もここで負けるわけには行かないのです!!」

メイド「ああああああああああ!!」

ヒラリ

メイド「!!」

女勇者「もらった!!」

ズバッ

メイド「があああああああああああああ!!」

メイド(腕をやられた!)

女勇者「チャンス!!」

ダッ

メイド「クッ!」

ダッ











148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:35:42.73 ID:BODc6WGb0
メイド「ハァ、ハァ…」

メイド(…我ながら不覚!いつの間にか追い詰められていようとは…)

女勇者「もう逃げ場はないわよ!」

メイド「………!」

女勇者「覚悟!!」

メイド(申し訳ありません!魔王様…勇者様!)

キィン



勇者「…メイドはやらせない!」












149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:38:41.00 ID:4OnUsF1S0
しえん











150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:40:03.02 ID:BODc6WGb0
メイド「!?」

女勇者「そんな…!兄さん!なぜ!?」

ギリ…ギリ…

勇者「…メイド!下がってろ!」

メイド「あ、はい!」

勇者「後は俺が戦う!」

女勇者「………」












152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:41:09.77 ID:BODc6WGb0
キィン,キン

女勇者「…なぜです!…なぜ兄さんは魔王なんかに」

勇者「戦いの最中に、そんなこと考えてる余裕があるのか!」

女勇者「クッ」

勇者「そんな迷いのある剣さばきでは、魔王様どころか、俺にすら勝つことは出来ないぞ!」

バキッ

女勇者「くぅッ」












153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:41:17.68 ID:1SMAFRpLO
wktk










154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:42:01.17 ID:BODc6WGb0
女勇者「兄さん…なぜ…?」

勇者「………」

勇者「…そんなに知りたいのか?」

女勇者「答えてください!!」

勇者「………」

勇者「なら、教えてやろう」

勇者「実はな、魔王様に協力して、世界を支配した暁には、この世界半分を俺にくれると魔王様は約束してくださったんだ」

女勇者「…本当…なのですか?」

勇者「ああ。それ聞いたらもう魔王と戦う必要なんてなくなるだろう?」

勇者「魔王倒すより、魔王と協力して世界を支配するほうが楽に決まってるからな!」

女勇者「あなたは…あなたって人はッ!!」












155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:43:50.48 ID:BODc6WGb0
ダッ

キィン

勇者「くぅッ!!」

勇者「重い…!」

女勇者「私は…」

女勇者「私は…あなたをもう兄とは呼ばない!」

女勇者「あなたを倒し!魔王を倒し!」

女勇者「この世界を救って見せる!」

勇者「…いいだろう、ならばかかってこい!!」

勇者(それでいいのだ…妹よ!)

女勇者「ああああああ!!」

勇者「でゃああああ!!」



ザクッ













156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:44:32.36 ID:BODc6WGb0
勇者「………」


女勇者「………」



勇者「………ガハッ」

スッ


女勇者「さようなら…兄さん」













157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:47:03.29 ID:BODc6WGb0
魔王「…勇者もやられたか」
女勇者「ええ、私が倒したわ…」

魔王「皮肉なものだな。私の配下となった勇者を、妹であるそなたが殺すなどと…」

女勇者「…魔王!どうして、どうして!兄さんを誑かしたの!」

魔王「勇者がそう望んだからだ…私はそれに答えただけにすぎん」

女勇者「世界を…半分与えるという約束か…!」

魔王「ククク…あやつめ、そんなデタラメを…」

女勇者「デタラメ…!?」

女勇者「ちょっと待って!デタラメってどういうこと!」

魔王「ククク…そんなこと、今更知りたいのか?」

女勇者「………」












158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 02:49:54.44 ID:1SMAFRpLO
支援











164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:00:25.76 ID:BODc6WGb0
女勇者「そうね…」

女勇者(私は…勇者を倒し、ここまできた)

女勇者(それに…勇者も言っていた)

女勇者(迷いがあっては、勝てないって)

女勇者「私は…もう後に戻ることはできない!」

女勇者「お前は魔王で、私は勇者だ!」

女勇者「世界の平和のため!そして、貴様に誑かされた兄の無念を晴らすため!」



女勇者「お前を倒す!!!」

魔王「よかろう!かかってくるがよい!!」













166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:02:17.16 ID:BODc6WGb0
数ヶ月後…

女勇者「ですから…私は、結婚とか、そういうことは考えてません!」

国王「なぜじゃ!?魔王を倒し、世界を救ったお前なら、我が息子を任せられるというのに!」

王子「女勇者タン…ハァハァ」

女勇者「………」

女勇者「と、とにかく!私は一人で武の道を歩んでいきたいと思っております」

女勇者「そんな私に色恋など、あってはならぬのです!」

国王「ううむ…しかしだな…」

王子「パパwww女の子に無理を言っちゃいけないよwww女の子は繊細なんだからwwwフヒヒ」

国王「む…王子がそういうのなら仕方あるまい」

女勇者(…キモイ)


女勇者「…失礼します」













167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:06:45.79 ID:BODc6WGb0
女勇者「ハァ~言えないよな~…王子がキモイだなんて」

女勇者「ん?あれは…?」

子供A「あ、女勇者さんだ!」

女勇者「あら、みんな!」

子供B「勇者さん遊ぼう!」

女勇者「いいわよ。何して遊ぶ?」



女勇者(平和だな…)












169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:10:25.65 ID:BODc6WGb0
子供A、B「それじゃあねー!女勇者さーん!」

女勇者「ハイ、さようなら~」

女勇者「私も帰るとしますか」



女勇者(あれ…?家の前に誰かいる?)


女勇者(フード被ってて顔は見えないけど…)











170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:11:45.01 ID:D88+j3YmO
女勇者タソ(*゚∀゚)=3ハァハァ











171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:12:54.24 ID:BODc6WGb0
女勇者「あの、どちら様でしょうか?」

?「久しぶりだな…」

女勇者「!?」

女勇者「まさか…兄さん?」

勇者「そうだ」

女勇者(え?どういうこと?)

女勇者(兄さんはあの時…)

勇者「とりあえず中に入れてくれないか?」

勇者「久しぶりに家に帰ったんだ。ゆっくりしたい」

女勇者「え?あ?うん」











172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:13:03.29 ID:TBEYb+5+O
支援











173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:16:47.28 ID:BODc6WGb0
勇者「いや、何年も帰ってないと懐かしいな」

勇者「家の模様も大分替わってるみたいだしな」

女勇者「………」

女勇者(何やってるのよ!私!)

女勇者(兄さんは魔王の手先だったのよ)

女勇者(それを簡単に家に上げちゃって!)

女勇者「………」


女勇者「…それで、なんのようですか?」













176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:17:50.38 ID:BODc6WGb0
勇者「………」

勇者「…なんか、棘がないか?」

女勇者「魔王の手先が何を言ってるんですか!」

勇者「クックック、そうだったな」

女勇者「…用がないんならとっとと帰ってもらいたいんですけど」

勇者「まて、ちゃんと用はあるさ」

女勇者「………」

勇者「今日はな、せっかくだから、お前には全て話しておこうと思って来たんだ」












177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:19:03.92 ID:BODc6WGb0
女勇者「全てって、何ですか?」

勇者「俺が魔王の配下についた理由、とか」

女勇者「………」

勇者「お前も知りたいところだろう」

女勇者「………」コク

勇者「それじゃ、俺が魔王城についてからのことを話すな…」












178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:19:09.94 ID:TBEYb+5+O
wktk










180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:22:34.16 ID:BODc6WGb0
女勇者「………」

女勇者「…そんなことがあったんですね」

勇者「ああ」

女勇者「………」

勇者「そしてな…最後に魔王城を出ようとしたとき、魔王が言ったんだ」













181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:25:14.84 ID:BODc6WGb0
魔王「…なら、勇者よ」

魔王「私の配下になるがいい」

勇者「どういうことだ…!?」

魔王「お前に永遠に朽ちることのない体を与えてやろうというのだ」

魔王「無論、ただでというわけではないが」

勇者「その代わりに、お前の配下に加われと?」

魔王「少し違うな。私の後継者になれといっておるのだ」












186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:28:34.15 ID:BODc6WGb0
勇者「…?」

勇者「すまない、もう少し分かりやすく説明してくれないか?」

魔王「私は、私を生み出した人間の体を今は使っているが…」

魔王「元々は実体のない、存在なのだ」

魔王「人という依り代を経て、魔王の力を手にすることが出来る」

魔王「そして、これが私の核だ。これを砕かれれば、私はこの肉体もろとも完全に消滅する」

勇者「その宝石みたいなのが…」

魔王「これをお前に預ける」

勇者「!?」

魔王「魔王の力を全てくれてやるといっているのだ」

勇者「………」


魔王「そうすれば…お前は永遠の時を生きることができる」












188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:30:30.40 ID:BODc6WGb0
勇者「………」

勇者「…なんか釈然としないな…」

勇者「なんか、遺言を聞いてるみたいで…」

魔王「…これから、我ら魔族は人間に対して攻撃をする」

勇者「!!」

魔王「そして…おそらく、我ら魔族は敗れるだろう」

魔王「…そうすれば、お前の望みが叶う」

魔王「人が支配する世界を、延々と見続けるという望みがな」

勇者「………」











189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:33:48.19 ID:BODc6WGb0
勇者「魔王は…それでいいのか?」

魔王「………」

魔王「この肉体の主にして、我が創造主は常に悩んでいた」

魔王「自分一人の決断で世界を滅ぼしてしまってよいものか…とな」

勇者「………」

魔王「結果として私はこの世界を滅ぼしてしまったが…」

魔王「我が主はその答えが正しいのか、誰かに確かめてほしかったのだ」

魔王「そしてまた、私も主と同じく、自らの存在が正しいのか確かめたいのだ…」

魔王「勇者よ?その役を…お前に任せたい…」











191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:38:57.13 ID:BODc6WGb0
勇者「………」

勇者「…分かった。その役目、俺が変わりにやってやる」

魔王「うむ…では、頼むぞ」

魔王「だが、これから先…必要とあらば、再び貴様が魔王となりこの世界を滅ぼす決断をすることを…忘れるなよ?」

勇者「………」

勇者「…ああ、わかってるさ…」











193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:40:26.37 ID:BODc6WGb0
女勇者「そして、魔王は敗れ、兄さんは魔王の力を手に入れ、永遠の時を生きるようになった…と?」

勇者「そういうことだ…魔王を倒しに来た新しい勇者がお前だったのは意外だったけどな」

女勇者「そして…人間の力が大きくなったそのときに」

女勇者「魔王として、人間を滅ぼすの?」

勇者「…ああ」

勇者「だけどな…」

勇者「俺は…本当は魔王の力なんて、必要ないと思っている。いや、信じている」

勇者「それを証明するために、俺は永遠に生き続けるんだ」

女勇者「…兄さん」













196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:44:11.07 ID:BODc6WGb0
勇者「…さて、じゃあ俺はこれで失礼するよ」スタッ

女勇者「兄さん!」

ガバッ

勇者「おっと」

女勇者「ごめんなさい!私…兄さんのこと、何も知らなくて…!」

女勇者「なのに…なのに…!剣、思いっきり刺して…」

勇者「…いいさ」

勇者「それよりも、な」

勇者「お前には、これから、平和な世界を守っていってほしいんだ」

女勇者「ウン…私、守る…!」

勇者「おいおい…泣くやつがあるか…勇者の癖に」

女勇者「ウ…ウエーーーン!!」












198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:46:14.24 ID:BODc6WGb0
スースー

?「泣き疲れて眠ったみたいですね」

勇者「ん?来たのか?メイド」

メイド「ハイ、少し早めに来てしまいましたが…迷惑でしたか?」

勇者「いやそんなことはないよ」

メイド「クスッ…それにしても可愛い寝顔ですね」

メイド「とても世界を救った勇者とは思えないです」

勇者「ああ、俺もちょっと信じられないな」













199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:47:02.16 ID:BODc6WGb0
勇者「じゃあ、行こうか」

メイド「もうよろしいのですか」

勇者「あまりここに長くいたら、まずいだろう」

メイド「では、どちらへ向かうのですか」

勇者「ん~…」

勇者「まぁ、適当にブラブラ旅でもしますか。どうせ時間はたくさんあるんだし」

メイド「私もお供しますよ」

勇者「そっか。じゃあ行こうか」

勇者「平和な世界が続くことを願いながら、ね」

メイド「ハイ、魔王様」



fin










201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:48:46.45 ID:1SMAFRpLO
乙!
面白かった












206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:49:56.77 ID:ro10abByO
いやまぢで面白かった!
保管しときたいくらいだ!

1乙!












208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:50:22.24 ID:BODc6WGb0
以上で、終わりです。

最後まで見てくださった方も、途中で落ちてしまった人も、
こんなgdgdな駄文に付き合ってくださってありがとうございました。

楽しんでもらえたなら、何よりです。

本当に投下速度遅くて申し訳ありませんでしたOTL










211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:52:50.37 ID:AXh7JxXJ0
1乙
面白かった~!











212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:54:19.12 ID:vQ8A4qJtO
乙!
おもしろかったよ
いい発想だ











213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 03:55:34.32 ID:BODc6WGb0
予想以上の反響の多さにびっくりだwww










217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:00:53.35 ID:OMv5FIxw0
乙!面白かったぜ
勇者妹の誤解が解けてよかった。












223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:10:50.97 ID:OPleYVGNO
乙!!王道だがそれがいい!!すっきりしたから寝る!!楽しかったよ!










225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:22:51.15 ID:BODc6WGb0
本当はもう少し色々語りたいのですが…
さすがにこんな時間になると、人はもういないかwww

それじゃ最後に後書きみたいなもん書いてくわ。

前々から勇者系はやってみたくて、流行に乗って勢いでやったはいいけど…
ハイ、すいません。むっちゃ難しかったですOTL

王道だから書きやすくはあるけど…
終わらせ方も決まってくるから、そこをどうすればつじつまがあう面白い展開になるか…
ない脳みそを振り絞って考えましたwww
とりあえず、まとめサイトにのることを目標にして頑張りました!

では、こんな時間まで付き合って下さった皆様にもう一度お礼を

ありがとうございました!












226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:28:56.87 ID:ddBLWe3UO
>>1
乙!おもしろかったよ~











227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 04:34:42.86 ID:nJoIQ3RY0

ばっちゃが言ってた…
王道はイバラの道だって
そこを突き進んでくれてありがとう
おもしろかった!











229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 05:01:01.96 ID:iRv1x5R5O
メイドのモデルが翡翠の時点で>>1に惚れた。
楽しかった、また書いてくれ。










239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 07:44:32.76 ID:uj6t1IXxO










240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 07:55:49.84 ID:2+f+QmVVO
心からありがとう










ドラゴンクエスト ソフビモンスター (21) さまようよろい
スクウェア・エニックス (2009-03-21)
売り上げランキング: 8657












関連記事


▼フリメで無料登録OK!お試しポイント大量!


[ 2012/01/01 06:20 ] 2chまとめ | TB(-) | CM(-)
当サイトについて

ROM厨

Author:ROM厨
▼当サイトの掲載記事・文章・画像等は2ちゃんねる掲示板からの転載です。
掲載されている文章・画像に関して何か問題があればメールでご連絡下さい。
確認後、適切な対処を取らせていただきます。

・このサイトについて
・お問い合わせ

最新記事


ブログパーツ